羽山神社

御代田の鎮守。正面の大烏居をくぐると正面に拝殿があり、その奥にりっぱな本殿があります。祭神に大山祗命を祀る羽山神杜です。昭和三年に、時の町長阿部安次郎氏等の運動で社殿を新築した際羽山神杜を主神としました。羽山神社の奥の院は御幸山の山頂にある大岩で、その基部に祠があります。

前に主神であった稲荷神社は旧殿に祀られていましたが、その旧殿も今では改築されて小さいながら新しい社殿となっています。当稲荷神社は、遠江国長上郡大歳神杜をこの地に勧請したといいますが、その年については明らかでありません。明和二年陸奥国伊達郡小手庄十九社内、御代田村小関に大工大河内近内、安戸仲右エ門、村上新之丞、次田伊左エ門に社殿を作らせて11月完成し、遷宮した旨の記録が残されています。

その後、寛政十年(1798年)にも遷宮を行ない安政五年(1858年)をはじめ、度々修理を加えつつ昭和を迎えました。社殿に掲げてある額と木刀は小野派一刀流の剣士関根敬次郎義富によって奉納されたもので、記された門人名によって当時の剣術の隆盛を物語っています。

本殿の右裏手には、1メートル余の山神碑を中心に大黒天・辮財天、そして、おびただしい庚申塔が立ち、地域の人々の信仰の様がしのばれます。(「ふるさとの小径をゆく」より

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