下神山磨崖仏
御堂に向って右手の岩肌に、「享保八年癸卯」(1723年)の年号のある半肉彫の磨崖仏(まがいぶつ)三十四観音像が刻まれています。花崗岩に彫られた観音像は二百年の風雪によってかなり風化はしていますが往時の面影を残しています。三十四体の観音像は、三十三観音に結願として一体を加え三十四体としたものではないかと考えられます。三十四観音は秩父地方にその例が多いとのことです。作者ならびに寄進者はいろいろと伝えられておりますがその裏付けとなるものは見当たりません。
この磨崖仏の周辺には、巳待供養塔、日待供養塔などの石塔が立ち並び、すぐ上流にある御前堂とともに、昔の部落の人達の信仰の様が偲ばれて心安らぐものがあります。(「ふるさとの小径をゆく」より)